インタビューVOL.3 フィンスイマー富山周祐 選手

インタビューVOL.3 フィンスイマー富山周祐 選手

富山周祐選手 

<富山周祐プロフィール>

KITAJIMAQUATICS所属、早稲田大学大学院在学中

1歳半で水泳を始める。2013年3月、競泳を引退。2014年6月からフィンスイミングを始め、2014年に学生だけの世界選手権に選考され初の国際大会出場を果たす。その後2016~2018年の3年間正代表として国際大会へ出場し、2018年世界選手権では男子キャプテンを務めながら日本のフィンスイミング史上初4×200メートルリレーにおいて決勝進出を果たす。

 

「国際大会で活躍する大学の先輩を見てフィンを始めました。」

フィンスイミングを始めたのは大学に入ってからです。最初は別に本気でやろうと思ってなかったんです(笑)全寮制の体育会と理工学部を両立するのは難しくて。たまたま僕の先輩がフィンスイミングやっていたので見に行ったときに、モノフィンの講習していて「速いんだな〜!」と感動しました。その先輩が日本代表で国際大会に出るレベルの人で、先輩が活躍してるの見て同じところに立ってみたいと思ったのが本格的にフィンを始めたきっかけです。ビーフィンからスタートしたので、今やっているモノフィンのことは何も知りませんでした。最初モノフィンをつけたときは「うわ〜!なんだこのでかいのは!」と思いましたね(笑)

 

「多忙な毎日、パフォーマンスに影響が出ないように気をつけています。」

大学に通いながら、KITAJIMAQUATICSでコーチをしつつ、フィンスイミングの選手として大会にも出ているので、完全な休息日というのはほぼないですね。練習がない日はありますが、大学かコーチとしてのアルバイトがあります。ですから夜更かしなどして次の日の練習パフォーマンスに影響のないように気をつけています。飲み会とかもほとんど行きません。基本的に毎日12時には寝て、朝6時半には起きて朝練をしてから大学に行きます。夜はコーチとしてレッスンをしてから自分の練習という毎日です。普段から飲み会とかにもほとんど行かないので「ノリ悪いやつだな〜」と思われていると思いますよ(笑)

 

「まずは弱点克服のためのトレーニング。ストレッチは毎日欠かしません。」

毎日欠かさずにしていることは、コアトレーニングや脊椎の柔軟性を向上させるストレッチです。フィンスイミングは蹴伸びの姿勢が重要なので、その姿勢を綺麗に保てるように胸郭や肩周りを柔らかくすることを心がけています。僕は背中が丸まりやすいのでストレッチで伸ばして背中がこらないようにしています。トレーニングをする際に心がけているのは、陸トレであれば水中動作に近い動きで負荷をかけたり、水中練習の時と同程度の心肺への負荷かけることです。まず一番に自分の弱点を克服、それが克服できてから全部のステータスをあげるということを意識しています。

 

 

 

「何事も為せば成る。勝ちたいという想いが最大のモチベーションです。」

「為せば成る」が僕のモットーです。努力すればたいていのことはどうにか出来ると思っています。実際、2年前に初めて日本代表に入った時には、個人種目ではなくリレーだけの選抜でした。そのときに「個人で戦いたい!」と思って、そこから1年間速くなるための練習をし続けました。その結果1年後の日本選手権でベストを出すことができ、去年は優勝することができました。そしてこの1年間はさらに高いレベルのトレーニングを実践してきました。一度勝つともう2番にはなりたくない。勝つことが僕にとっての一番のモチベーションです。昔から闘争心は強いタイプで負けず嫌いです。小学生のころは「クラスの中で一番身長高くなりたい!」「一番速く走りたい!」とか思ってました(笑)上を目指すアスリートなら誰でも闘争心はあるんじゃないですかね?負けたくないという気持ちがないと勝てないと思います。

 

「過信から結果が出せなかった悔しさ。勝ち癖をつけるための練習をするようになりました。」

2015年に日本代表に落ちたことが僕にとってのターニングポイントでした。2014年まではビーフィンでやっていて、練習ではそこそこのタイムが出せていたので、モノフィンもいけるだろうと舐めていました。「リレーメンバーの4番には入れるだろう。」と過信しすぎた結果、本番で結果を出せるための準備が足りなかったんだと思います。そのときから「本番に弱いよね。」と言われるようになったり本当に悔しかったですね。そこからは、練習から誰にも負けないように練習してやろうと気持ちを入れ替えました。レースで勝つためには実力だけじゃなくて【勝ち癖】が必要です。試合のための練習をすること。練習から周りを圧倒してやろうという気持ちを持って、常にライバルが隣にいると思って練習しています。振り返れば、あの時の悔しさがあったからこそ、現在の自分につながる気持ちのベースが作れたんだと思います。

 

 

「日本史上初のリレー決勝進出。圧倒的な記録を作って世界で通用する選手になることが今後の目標です。」

そういった練習を経て、2018年世界選手権で、私が初代表になってからチームメンバーで掲げていた4×200Mリレーで決勝進出を果たせました。事実上日本のフィンスイミング史上初となりました。3年越しの目標が叶って、メンバー四人で大号泣しました。そのときはもう本当に「やったー!」という気持ちしかなかったですね。あの決勝の舞台に立てるか立てないかは大きな違いだったと思います。これからはさらに世界の速い選手たちと一緒にレースをしたいと思っています。日本は練習環境が整ってないので、世界の選手と戦うには運動量の差を埋めることが必要だと思っています。来年の1月に行われる400Mのレースで誰にも抜けないような圧倒的な記録を作ることが現在の目標です。

 

 

富山周祐 選手 (東京都出身)
■種目:フィンスイミング
■Instagram:https://www.instagram.com/shusuke_finswimming/